鋼管杭とは

鋼管杭Q&A

打込み工法による振動の影響範囲を考える場合、影響対象外となる安全範囲はどのように考えたらよいか?

振動は、地盤の状況によって伝達の状態が異なり、打ち込み杭のときの地盤の振動と地盤条件との間には、おおよそ次のような傾向が認められる。
 ①一般に地表付近の打込み時の振動が大きい。
 ②軟弱な地層の表面あるいは硬い地盤に打ち込むときは振動が大きくなる。

油圧ハンマの振動は、施工位置から30m離れた地点でも規制値である75dBを超えるレベルとなり、施工機械(ラム重量8~8.5t級)によっては、80dBを超える振動レベルを示すデータもある。

図-2にバイブロハンマ施工時の振動測定結果を示す。バイブロハンマ工法は、杭を強制的に振動させる機械であるため、打ち込み位置から1~2mの至近距離に構造物がある場合は注意が必要となるが、20m以上離れると振動は規制値の75dB以下に減衰する。また、近年は機械の改良・開発が進み、現地の状況に応じ、バイブロハンマを選択できるようになっている。表-2に各種バイブロハンマの振動レベルの差異を示す。

    図-2 振動測定結果(バイブロハンマ)

表5.1.7 振動レベルの差異(出典5-⑧)

  バイブロハンマ単独工 JV工法
(ウォータージェット併用バイブロ工)
打込み施工時 起動・停止時 打込み施工時 起動・停止時
電動式普通型 30kW以下 75dB +5~10dB -5~-7dB +3~5dB
40~60kW 80dB
90kW以上 85dB
ゼロ起動・ゼロ停止
電動式可変
モーメント型
45~60kW 75dB -5~-7dB
90kW以上 80dB
電動式低周波型 240kW以下 85dB +10~15dB -5~-10dB +5~10dB
300kW以上 90dB
ゼロ起動・ゼロ停止
電動式低周波型
150~240kW 80dB -5~-10dB
ゼロ起動・ゼロ停止
油圧式可変超高周波型
224kW(304ps) 60~65dB -10~-15dB
注 1) 表中の振動レベル(dB)は震動源より7m距離の値

振動の予測方法としては、「鋼管杭の騒音振動低減工法 (鋼管杭協会編 山海堂)」や「道路環境影響評価の技術手法 第2巻((財)道路環境研究所)」に音の伝搬理論に基づく計算方法による予測方法が記載されている。参考までに、音の伝播理論に基づく計算方法による油圧ハンマの振動レベルの予測値の試算結果を以下に示す。

  • 試算条件:
     油圧ハンマの発生源における振動レベル=88(dB)
     地表面                     =未固結地盤
  • 試算結果:
距離
(m)
騒音
(dB)
25 74.2
50 65.6
100 52.8

以上より、バイブロハンマは20m以上、油圧ハンマは25m以上離れれば、規制値を下回ることが分かる。
ただし、振動の感じ方は人それぞれであり、地盤条件によっても、振動の発生レベルが異なることから、たとえ基準値を満足した値でもクレームが発生することもある。