2020年度 事業報告

1.事業概要

2020年度は辞任された福島 裕法理事・会長に替わり、新たに瀬戸 一洋氏を理事・会長に迎え、我が国における鋼管杭・鋼矢板の技術進歩・発展を図るため諸活動を推進してきた。但し、新型コロナウイルスのパンデミックにより、当技術協会の2020年度の諸活動についても、従来、対面で行っていた理事会や各委員会、研究機関との打合せ、講習会等についても多くはオンライン形式とし、その運営に試行錯誤する等の影響を受けた。
そのような状況下、2020年度の具体的な活動としては、バイブロハンマ工法の周面摩擦特性の検証のため小径杭での実フィールド試験を実施し養生期間が周面摩擦力に及ぼす影響等の検討や、2021年度改定発刊予定の鋼管矢板基礎設計施工便覧への対応として設計・施工面の課題を審議して原稿の執筆作業、および鋼管杭施工の補助工法に関連する論文他7編を執筆し基礎工特集号への投稿等を行った。また、施工管理の厳格化に対応するため当技術協会で作成している施工管理要領についても、杭基礎設計・施工便覧等の改定に合わせたブラッシュアップを行い、その施工管理要領の講習会を従来の対面形式からオンライン形式(リモート形式)へ切り替えるための講習会用動画も作成した。

1-1 理事会、社員総会等の開催とその内容

当技術協会は、技術総括委員会が主体となり運営方針等を協議し、下記に示す理事会、社員総会等にて適宜審議を行いながら運営を行ってきた。

(理事会、社員総会等の審議内容)

会議名 開催日 審 議 内 容
書面決議による社員総会 2020.4.9
  • 任期途中の理事3名の辞任に伴う後任の理事の選任
書面決議による理事会 2020.4.17
  • 任期途中の会長の辞任に伴う後任の会長の選任
  • 技術総括委員の辞任に伴う後任の技術総括委員の選任
  • 施工賛助会員の入会の承認
書面決議による社員総会 2020.6.2
  • 定款に規定されている2020年度定時社員総会の日程の変更
監査 2020.6.5
  • 2019年度会計監査、業務監査
第47回理事会 2020.6.10
  • 2020年度定時社員総会の議事進行予定と議案の審議・承認
    1) 2019年度事業報告、2019年度収支決算報告について承認
    2) 2020年度事業計画案、2020年度収支予算案について承認
    3) 2020年度定時社員総会 議案について承認
    4) 理事・監事候補および代表理事候補について承認
  • 技術総括委員長の交代について承認
  • 土木学会田中賞の授賞について報告
  • 鋼管杭施工管理士検定試験委員会について報告
  • 2020年度役員、技術委員(外部委員含む)について報告
2020年度
定時社員総会
2020.7.2
  • 理事および監事の選任について承認
  • 2019年度事業報告、決算報告について承認
  • 2020年度事業計画案、収支予算案について承認
第48回理事会 2020.7.2
  • 代表理事の選定について承認
第49回理事会 2020.10.8
  • 2020年度上期活動概要について報告
  • 創立50周年記念事業について報告
  • 2020年度技術委員会上期活動概要(トピック)について報告〔打込み杭特別研究委員会、道路・鉄道技術委員会、港湾・河川技術委員会〕
  • 鋼管杭施工管理士検定試験関連について報告
第50回理事会 2020.12.23
  • 技術総括委員長の交代について承認
  • 2020年度活動見込み・予算執行見込み、2021年度事業計画案について報告
  • 創立50周年記念事業について報告
  • 2021年度技術委員会の事業計画案(トピック)について報告〔打込み杭特別研究委員会、港湾・河川技術委員会〕
  • 鋼管杭施工管理士検定試験関連について報告
第51回理事会 2021.3.17
  • 2020年度活動成果について報告
  • 2021年度事業計画骨子案について承認
  • 2020年度決算見込みについて報告
  • 2021年度予算案について承認
  • 波崎観測桟橋共同研究の延長について報告
  • 2020年度鋼管杭施工管理士検定試験結果について報告
1-2 文書の発行および広報活動

2020年度は、2021年度に予定されている創立50周年事業の一環として、「鋼管杭・鋼矢板技術協会創立50周年記念誌」の発刊を予定しており、その編纂のため、「明日を築く89号」については、発刊を見送った。
また、下記の講習会用動画を作成した。

種類 種別 資 料 名 発行月
講習会用動画 鋼管杭・
鋼管矢板
  • 鋼管杭の施工管理要領(中掘り杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法、回転杭工法、打撃杭工法)の講習会用動画
2021.3
1-3 論文執筆

下表に示す論文を執筆・投稿した。

種別 論文タイトル 投稿・掲載先 発行月
鋼管杭・
鋼管矢板
  • 矢板式係船岸を既設前面に新設する場合の設計方法に関する考察~既設重力式岸壁での検証
2020年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会 2020.9
  • 矢板式構造による重力式係船岸増進改良工法の地震応答解析における既設構造物の影響検討
2020年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会 2020.9
  • 杭に関連する話題
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管杭・鋼管矢板の補助工法
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管杭(打撃工法)における補助工法の施工事例
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管杭(中掘り杭工法)における補助工法の施工事例
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管杭(鋼管ソイルセメント杭工法)における補助工法の施工事例
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管杭(回転杭工法)における補助工法の施工事例
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
  • 鋼管矢板基礎における補助工法の施工事例
基礎工 Vol.49
No.2
2021.2
鋼矢板
  • 二重鋼矢板を用いた堤防補強技術の補強効果と設計法について
2020年度土木学会第8回河川技術に関するシンポジウム 2020.12
1-4 技術講習会等の開催

(一社)建設コンサルタンツ協会と共催で、鋼管杭・鋼矢板に関する技術講演をWEB会議にて1回実施した。

開催日 名称 主催 場所 内容
2020.12.17 建設コンサルタンツ協会講習会 (一社)建コン協 関東支部 道路構造物専門委員会 WEB
会議
H29道路橋示方書による鋼管杭の設計・施工に関する留意点

2.委員会活動:2020年度

理事会、技術総括委員会の活動方針の下、各委員会活動を行った。

(共通)

(1)技術総括委員会にて、活動の企画・立案・管理を行った。
(2)外部委員長、委員を招聘した施工専門委員会による施工管理要領等の審議、オーソライズを図った。
(3))施工会社(工法協会他)を委員に加えた「施工管理普及委員会」にて、各種工法の施工管理要領の普及を図った。また、「鋼管杭-施工と施工管理-」を用いた「鋼管杭施工技術者育成講習会(主催:全基連 共催:JASPP、JPA)」を開催し、鋼管杭の施工技術者の育成、技術向上を図った。
(4)各技術委員会(建築基礎技術委員会、製品技術委員会を除く)に学識経験者の外部委員を招聘し、委員会活動の透明性の確保、活動内容の高度化を図った。
(5)技術普及のための技術説明会、論文執筆・投稿を行った。

( 各委員会の活動)

施工専門委員会
1.鋼管杭工法の施工要領オーソライズ/普及活動
  • 3工法(中掘り杭、鋼管ソイルセメント杭、回転杭)の施工管理要領に、岩盤での施工の留意点を追加
施工管理普及委員会
1.施工管理要領改訂版の周知
  • 4工法(中掘り・鋼管ソイル・回転杭・打撃杭)のナレーション付きPPT説明動画作成
2.施工管理の標準化・管理手法の高度化
  • 収集対象とする施工データのピックアップ
3.鋼管杭施工管理技術者育成のための支援活動
  • 講習会資料作成および講習会開催の支援
打ち込み杭特別研究委員会
1.打撃工法の施工管理高度化
  • 載荷試験/施工記録のデータ分析およびヤットコを用いたより高度な打ち止め管理システムの予備試験実施と実海域での実証試験計画立案
2.バイブロハンマ工法の施工管理高度化
  • 小径杭での実フィールド試験にもとづく、打設時間と養生期間が周面摩擦力に及ぼす影響の検証
3.鉄連学助成テーマフォロー
  • 開端杭の支持力発現機構の解明、鋼管杭の貫入抵抗および可視化、鋼管杭打込み時の部材周面地盤の挙動観測および開端杭の先端閉塞現象の数値解析技術のフォロー
道路・鉄道技術委員会
【鋼管杭チーム】
1.杭基礎設計・施工便覧改定後のフォローアップ
  • 岩盤支持層の先端支持力推定式の設計便覧参考資料への掲載、岩支持層で設計便覧に準拠した杭工法の設計比較検討および設計便覧に準拠したネガティブフリクションが生じる場合の設計検討
2.耐震補強構造の検討
  • 橋台前面壁補強の設計法検討および増し杭の既設基礎との結合方法フォロー
3.鉄連学助成フォロー
  • 施工時情報を活用した鋼管杭基礎の信頼性向上のフォロー
【鋼管矢板基礎チーム】
1.鋼管矢板基礎設計・施工便覧改定への対応
  • 便覧WGを開催し設計・施工面の課題を審議、それを踏まえた便覧原稿の執筆を実施中
2.鋼管矢板基礎設計・施工便覧対応
  • 現行の「鋼管矢板基礎-その設計と施工-」の設計例を元に、H29道示に準拠した2ケースの設計を実施
港湾・河川技術委員会
【港湾チーム】
1.既設港湾施設の更新設計の検討
  • 既設港湾施設の更新設計技術資料のとりまとめ(矢板式係船岸、重力式係船岸について既設新設の外力分担モデルについて試設計例をもとに提案・解説)
2.桟橋の性能規定化に向けた検討
  • 2021年度検討本格化に向けて港空研との実施内容、JASPP協力事項、計画、スケジュールのまとめ
3.港湾基準改訂フォロー
  • 赤本改訂項目のとりまとめ
4.波崎桟橋の36年目防食観測調査
  • 36年目の観測データ収集および結果のまとめ
5.防食補修関連への対応
  • 防食補修マニュアル改訂および東京港腐食対策技術検討会への協力
6.セルマニュアル改訂対応
  • 鋼矢板部分のセルマニュアル原稿案のまとめ
【河川チーム】
1.国土強靭化に資する鋼矢板利用技術
  • 鋼矢板二重締切堤防に関する建設技術フェアプレゼンテーション、論文投稿/発表1件
  • 「災害復旧工事の設計要領」の改定に対して、ハット形矢板による設計例の改定案を作成し全国防災協会に申し入れ、次年度改定に反映予定
2.鋼矢板護岸補修・補強・更新マニュアル策定
  • JASPP技術資料「鋼矢板護岸補修・補強・更新マニュアル(案)」のとりまとめ
3.鉄連学助成テーマフォロー
  • PFS工法設計施工マニュアル改訂およびグラベルドレーンによる河川盛土液状化対策フォロー
建築基礎技術委員会
1.鋼管杭(杭頭部)の耐力評価
  • 評価方法・評価式の提案、杭体のモデル化と設計用限界値の提案、群杭フレームによる試設計および鋼管杭基礎の試設計例作成
2.鉄連学助成テーマの研究進捗フォロー
  • 群杭設計体系の構築、杭体の部材耐力、杭頭固定度評価および地盤抵抗(鉛直・水平)評価のフォロー
3.外部委員会活動
  • 基礎構造部材の強度と変形性能小委員会 鋼管杭性能検討WG(建築学会)、建築基礎構造設計指針 設計例改定小委員会(建築学会)、建築工事標準仕様書 JASS3・4改定小委員会、JASS4改定WG(建築学会)
製品技術委員会
1.2019年度活動内容の整理
2.規格・技術資料の改訂推進
  • 赤本(「鋼管杭 -その設計と施工-」)の改訂内容検討
3.技術ノウハウの再整理
  • 工場溶接作業者の資格、コイル継ぎ溶接部の検査方法の標準化及び鋼管矢板幅の測定要領標準化検討
技術総括委員会広報WG
1.「鋼管杭・鋼矢板技術協会創立50周年記念誌」の原稿作成
  • 原稿(第2稿)作成完了(発刊予定:2021年8月)
2. ホームページ更新
  • 技術資料の電子化およびリニューアル項目の洗い出し完了
赤本改訂編集WG
1.「鋼管杭 ―その設計と施工―」の改訂着手
  • 改訂の編集方針、目次構成、各編の役割分担、編集スケジュールの確定
  • 改訂に向けた最新技術情報の収集実施

3.その他の活動

2020年度鋼管杭施工管理資格関連の活動報告
◆鋼管杭施工管理士検定試験開催に向けた関連事業への参画および実施
① 鋼管杭施工管理士検定試験委員会への参画
② 講習会事業の共催 (主催:全基連 共催:JASPP/全国圧入協会)
  • 講習会開催(1回):東京(8/9)
  • 出席者 : 総計17名