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鋼管杭・鋼管矢板の標準吊金具の仕様見直しについて

1.背景

これまで標準としてきた吊金具は、1975年にそれまでの実績に基づいて仕様が決められたものであり、その後 JIS A 5525 および JIS A 5530 への記載を経て、今日まで特に大きな事故も無く広く利用されてきました。
その間、当協会でも必要に応じて強度面の検討を行ってきた一方で、プロジェクト毎に個別の仕様が設定される場合もありましたが、必ずしも前提条件などが統一されてはいませんでした。
一方、施工面については、近年、例えば高強度で細径のシャックルが普及しているなど、より厳しい条件で吊金具が使用されている状況も見受けられるようです。
このような施工面の環境変化も踏まえ、これまで考え方が統一されていなかった吊金具の設計について、より安全性を高めるために、当協会としての考え方を統一するとともに、この考え方に基づいて標準吊金具の仕様を再検討することに致しました。

2.統一した考え方と、それに基づく標準吊金具の仕様見直し

仕様見直し内容の詳細 >>
今回、吊金具の検討を、吊金具の具体的な照査方法が明記された「鋼構造架設設計施工指針」(土木学会)に準拠することとし、『建て起し時』および『吊り下げ時』を対象に2個の吊金具で吊り上げる状態を考慮することに致しました。
この考え方で仕様の再検討を行った結果、以下の点について仕様を見直すことと致しました。

①  吊金具に用いる鋼材を、これまでの400N/mm2級の材料に代えて490N/mm2級の材料とする。
②  補強リブ無しと補強リブ有りの2タイプがある『10t超え20t以下』用は、『補強リブ有り』に統一する。
③  『30t超え40t以下』用の補強リブ幅を大きくする。
④  補強リブ有りタイプのリブ取り付け位置を、JIS規格品のシャックルがよりスムーズにセット出来るように、若干変更する。
3.標準吊金具のご利用にあたって

今回見直した標準吊金具は、上記の考え方で仕様を設定したものです。
吊金具の選定にあたりましては、実際に吊金具が使用される際の荷重条件や作業環境、作業条件などを十分にご検討頂いた上でご利用下さい。
特に、今回の仕様は吊孔径の90%の径のピンを用いる条件で計算しておりますので、高強度で細径のシャックルを使用する場合は、従来の吊金具に比べてピン孔まわりの支圧に対する安全度は高まっているものの、引続き実際の荷重条件などを考慮してその適用性を慎重にご判断下さい。

[お問合せ先](一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会 TEL 03-3669-2437

【公開資料】  
  • 広報文書 「鋼管杭・鋼管矢板の標準吊金具の仕様見直しについて」 [620KB]
  • 新吊金具の詳細-「附属品の標準化」(2015改訂) [165KB]
  • 標準吊金具の計算事例(1)5t超え~10t以下用(補強リブ無し) [184KB]
  • 標準吊金具の計算事例(2)30t超え~40t以下用(補強リブ有り) [224KB]
  • FAQ「標準吊金具仕様の見直しに関するQ&A」 [244KB]
※ 板厚照査の頁において、追加の考察を加えたため計算事例(1)(2)の改訂を行いました。
尚、この改訂による吊金具の仕様変更はありません。
(2015.10.9)
※ すみ肉溶接サイズ未満の板厚の鋼管に取付ける場合、すみ肉溶接部強度の照査が必要となります。   詳細はこちら >>
(2017.01)